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Jリーグにおけるウェブ・マーケティングの可能性

ウェブ・マーケティングとは何でしょうか。

ウェブ・マーケティングとは、ウェブ・サイトに顧客を集客し、そのウェブサイトを利用して、商品やサービスの購入に繋げるマーケティング手法のことです。

そもそもマーケティングとは、顧客(お客様)に対して価値を「創造」、「発信」、「伝達」することです、そして自らの組織やその関係者(ステークス・ホルダー)にも「利益」をもたらすもので、それら一連の行動をマーケティングと呼ぶとされます。

企業だけでなく、公的組織、政府や自治体などにおける非営利活動においてもマーケティングは用いられ、社会改革などに用いられるマーケティングはソーシャル・マーケティングと呼ばれます。

ウェブマーケティングもこれらのマーケティングのなかの一つの区分であるといえるでしょう。

ウェブ・マーケティングの手法としては、ウェブサイトの運営や、広告の掲出などがありますが、SEOへの対策、オウンドメディアの運営などがあげられます。

SEOとはサーチ・エンジン・オプティマイゼーション(Search Engine Optimization)の略で、検索エンジン最適化と訳されます。検索エンジンで上位に表示されるために、ウェブサイトの構成や内容を調整することを指します。

オウンドメディア(owned media)という用語については、企業が保有するメディアのことですので、広くは広報誌やパンフレットをもいい、また自社のホームページなどのウェブサイトのこともオウンドメディアと呼ばれます。

ではなぜこれらSEO、オウンドメディアなどの手法を用いたウェブ・マーケティングがこれから必要なのでしょうか?

現在、日常生活、社会生活においてインターネットの重要性が高まっており、それに伴って、インターネット上でのマーケティングという新しい取り組みが注目されるようになっているのです。 今後ウェブマーケティングの重要性が高まっていくと考えられています。

それはウェブ・ページの存在感が増しており、またスマホなどの機器の普及、SNSの普及により、マーケティングにおいてさらにウェブ・マーケティングの比重が高まってくることが考えられているからであります。

またマーケティングにおいてはコンバージョン(成果)を得ることが重要になりますが、ウェブ・マーケティングにおいては、求める顧客層に的確な情報を提供し、成果をより効率よく上げやすいという利点があります。

多くのウェブ・サイトが溢れる中で、サイトへのアクセスを解析・分析して、数値に基づいた戦略を立て、ウェブサイトを変化させていくことができるという新しいマーケティング手法として、今後、ウェブ・マーケティングは重要になるといえるでしょう。

 

SEOとは
オウンドメディアとは
 

フットボールクラブのウェブ・マーケティングとしては、コロナ禍を機にファンクラブのIT化が進められることとなりました。2020年から起こったコロナ禍はリモートワークなどの仕事の変化を起こし、社会に大きな変化を与えたからです。

コロナによる緊急事態宣言が発出されている間は、フットボール・クラブにおいても在宅での勤務が一般化しました。ビジネス・チャット、Slackなどの利用、クラウド・サービスの利用が進んだとされます。 これらのツールの利用とともに、フットボール・クラブにおけるウェブ・マーケティングは変化し、取り組みも変化することになりました。

例えば栃木FCを参考例とすると、DXパートナーというDXに特化した会社と連携して、ファンクラブの管理やアンケートなどが、全てデジタル化されて行われるようになったとされます。 またファンクラブのIT化に伴い、ファンクラブのデータの取得と、そのデータの分析からウェブ・マーケティングが進められるようになりました。性別、年齢、居住地などのデータが一定数入手できるようになり、そのデータに基づくマーケティングが導入されるようになっています。

同じく栃木FCのファンクラブの事例を挙げると、QRコードによって顧客を管理し、CRM(Customer Relationship Management / 顧客関係管理)が取り入れられるようになったといいます。

これらとリンクしているのかはわからないですが、20代前後の若者が新聞・雑誌などをあまり読まないというデータから、インターネット上における、Youtubeインフルエンサーなどの活用の取り組みが行われているといいます。

また新しいIT技術の活用が進められ、例えばスマートスタジアムであったり、SNSの活用などが模索されはじめています。TwitterYouTubeinstagramなどの技術を使ったマーケティングが様々なクラブですでにはじまっているのです。

スマート・スタジアムについても情報収集面からの利点が挙げられることが多いとされます。どこで顧客がどのような行動をするかの分析や、スタジアム内でのWi-Fiの整備、警備におけるネットの利用なども、スマートスタジアムの利点としては挙げられています。

FacebookTwitterinstagram、他にSnap chatなどのSNSのサービスをいかに利用するかについては試行錯誤が続いています。現在は選手の様子であったり、試合に関連する情報の発信が主として行われています。

文字情報だけではなく、instagramなどの写真で情報を伝える手法も、徐々に浸透してきているとされます。 またこれらのSNSからグッズの情報を発信し、それと連動してネットでのグッズの物販を強化し、収益を上げようという取り組みも行われるようになっています。

これからのフット・ボールクラブにおいては、ますますウェブ・マーケティングが重要になると考えられます。

コロナ禍では社会におけるデジタル化は加速していきました、多くの人のネットへの親和性が高まっていることが背景として考えられます。 ただ若い世代はTwitterTikTok、年上の世代はFacebookなど、使うプラットフォームに微妙な差があることは指摘されています。

またTwitterなどのタイムラインに表示される広告などについても、男性、女性、年齢の上下で全く違うものが表示されることが言われます。ハッシュタグなどで括りをつけるなどの工夫をしないと、各年齢層、男性・女性で効果が異なる可能性があり、今後の展開として考えるべき課題であるでしょう。

またそれはフットボールクラブに限らず、社会全体でウェブ・マーケティングの重要性が高まってきているのに伴う変化で、ウェブ・マーティングにおいて考えるべきことと言えるのではないでしょうか。

 

サッカーをめぐるIT技術やウェブマーケティング
栃木SCの取り組み(上)
栃木SCの取り組み(下)
 

今後のウェブ・マーケティングの可能性については、顧客データをどう活用していくかということなど、ウェブでのデータを実際の営業活動に落とし込む作業が関連してきます。

アメリカのMLBは野球のリーグですが、リーグの各チームが垣根を越え、「リーグとして」データを共有し、ウェブ・マーテティングで働きかけて、ダイナミック・プライシング(試合の人気度によって価格を変動させる仕組み)なども導入することで、20年間というスパンでの取り組みではありましたが、売り上げを5倍にすることに成功したとされています。

またイングランドのプレミア・リーグが同じ時期に海外市場へ向けた展開を行い、5倍の売り上げを達成することに成功しています。

最近には、Jリーグによる国立競技場を利用した大規模な集客の取り組みが行われていますが、これに伴って新たな観客の集客のデータ分析が行われれば面白いかもしれません(ここは筆者の意見です)。

富士通川崎フロンターレか?)はチケットの販売に関連して研究を行い結果を公表しています。データを紐付けして分析し、さらなる分析を推奨していますが、個人データの取り扱い面からも難しい面があるのかもしれません。ただ取り組みは始まっており、進められているところです。

またテレビ、新聞、雑誌、スカパーなどのケーブルテレビなどの旧メディアとは違うアプローチで、マーケティングをすることが取り組まれています。新しいメディアでの露出が増えることにより、新規顧客の取得に成功している事例もあります。

最近はSNSを用い、ショートの動画を拡散し、チームを巡るストーリーを掻き立てたり、選手のファインプレーを見せたり、ドラマを演出することで集客の呼び水にできることが実証されています。 動画の映像の権利・肖像の権利の問題もありますが、観客を増やすために有効な手段だと考えられます。

また観客となる層はコアな層、ライト層、無関心層に分かれ、実際に入場する観客はコア層に集中しているというデータもあります。中心部のコア層を大切にしてリピートしてもらうとともに、ライト層などに働きかけるのに、従来のメディアではないSNSでの動画拡散や、さらにはYouTubeやストリーミングなどでの発信は有効ではないかと検討されています。

また新しいアプリなどの活用もはじまっています。Snapchatを使ったイベントや、チームがアプリを開発し、顧客と直接やりとりをする事例も出てきています。

アメリカのMLS(メジャー・リーグ・サッカー)において、オールスター・チームのキャプテン選びにSnapchatが使われた例があります。アメリカでは若年層においてSnapchatのユーザーが多く、1日のアクティブなユーザーが1億人を突破し、特定層に強い影響力を持っているとされます。

日本であればTwitter、LINEなどのアプリを利用して顧客にアプローチする手法が考えられるでしょう。 また絵文字やスタンプなどの発売などによるファン層の取り込みも、MLSでは行われています。

ウェブマーケティングには可能性があり、これからの多様な取り組みが求められています。顧客の獲得にますますウェブ・マーケティングが重要になると考えられます。

また同時にDXなどの新しいIT技術を導入することによって、スマートスタジアムが進むなど、観客の利便性を高める取り組みも始まっています。 これらIT技術を活用したビジネスが求められているのです。

 

富士通(おそらく川崎フロンターレによる将来提言)
MLS(メジャー・リーグ・サッカーの取り組み)
ダイナミック・プライシング