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競争戦略論?からサッカー・クラブ経営の戦略を考える(1)

今回はマーケティングの世界において有名な、マイケル・ポーター氏の競争理論を用いてサッカー・クラブ、特に東京Vの発展の戦略を考えてみます。

マイケル・ポーター氏はハーバード・ビジネス・スクールの教員で、若くして教授となった、企業戦略や国際競争などの、競争戦略に関する研究の第1人者です。

マイケル・ポーター氏の著作は数多くありますが、競争戦略について書かれたものとしては『競争の戦略』があります。他にもたくさんの本がありますが、同書などは今では古典的な名作として読み継がれています。

 

ポーター氏は同書の中で、有名な「5Force分析」を唱えています。

「5Force分析」とは「業界内の競合」、「買い手との交渉」、「売り手との交渉」、「新規参入の脅威」、「代替品の脅威」の5つの要素について分析し、競合各社や業界全体の状況と収益構造を明らかにして、そこから効果的なマーケティングを行う手法です。

「5Force分析」とは特定企業についてだけ調べるのではなく、自社が属する「産業」について競争状態を調べる手法だとされます。サッカーだと、各チームの状況、チケットを買ってくれる顧客、資金を提供していただくクライアント、新規参入はあるのか(市場の規模はどうなるのか)、代替の娯楽との関係はどうなっているか、などのサッカー界全体の分析を行うことになります。

 

ポーター氏はこの「5Force分析」を行ない、競合分析、市場のポテンシャルの分析を踏まえた上で、「コスト・リーダーシップ戦略」、「差別化戦略」、「集中戦略」の3つの基本的な戦略を企業が取ることが最適であることを示しました。

企業はコストを優先して戦略を考えるか、商品を独自化して高付加価値をつけるか、市場を限定するか、戦略を変えます。

この3つの戦略が現れるまでは、市場は主に企業の資源を市場の状況に合わせることで動いていました(需要と供給のみの関係でしょうか?)。それがこの3つの戦略が現れることで、企業の行動・戦略が変化しました。

 

より詳しく3つの基本戦略を見ますと、需要と供給ではなくコストを最大限まで低く設定して経営をすることで市場で優位を取る戦略(コスト・リーダーシップ戦略、低価格戦略が合わせて取られることが多い)、自社製品・サービスの特徴・ブランドで優位性を取る戦略(差別化戦略)、市場を細分化し、特定の地域や、特定の狭い市場で優位性を確立する戦略(集中戦略)が3つの基本戦略で、企業の行動・考え方が同氏の理論により変わりました。

サッカー・クラブについては、コスト削減の努力は常にされていると思いますが、ブランド、サービスの個性化の「差別化戦略」、市場を絞り、限定する「集中戦略」も必要かもしれません。

 

例えば東京Vなら、東京圏に市場を絞ってアプローチするのか、もっと狭い地域(例えば23区、西東京、南東京など)に営業するのか、関東を市場とするのか、全国についても「特定のファン」には接点を設けるのかなど、「集中戦略」一つにしても取り方は様々にあるでしょう(「差別化戦略」については別に述べます)。

 

3つの基本戦略のうち、いずれの基本戦略を重点的に取るかは企業によって様々でありますが、それらの戦略を取るにあたって、競争を優位に進めるための仕組みとして、「クラスター」というものの存在がポーター氏によって他に指摘されています。

 

【 参考にさせていただいたサイト 】
 
5フォース分析に関連して
3つの基本戦略に関連して
3つの戦略に関連して