ユベントスの復活に必要なことは何か?
前回、ユベントス関連で書いた記事では、ボールを奪いに行くこと、また左右の揺さぶりに対するスライドの対応が必要、ということを書いたつもりです。
前回はCLのPSG戦の前半をサンプルとしてみました。
今回は同じPSG戦の後半を見て、どのようなことが考えられるか見てみました。
まずまとめます。
・斜めのパス、斜めの走りが必要なのではないか
・ドリブルしながらのパスが必要で、受け手も受ける動きが必要なのではないか
・4−2−3ー1が現在のベストフォーメーションではないか
・監督の叱りではなく、励まし、いいプレーへの賞賛がいるのではないか
一つずつ見てみましょうか
・斜めのパス、斜めの走りが必要なのではないか
現在のユベントスは4−4−2の2トップを選択することがあります。この場合、陣形が四角で構成されることになります。そのため、縦パスと横パスが多くなる。縦にパスを入れようとすると、スローダウンして、止まっての縦パス、横パスが多くなります。
だから斜め方向の、相手のディフェンスの陣形をずらすような、ロブでもグラウンダーでもいいので通るパスが必要なのではないでしょうか。また縦のパスを出すのなら、それに斜めで合わせるような走りを前線の選手が見せるべきではないのでしょうか。
縦パスを安易にカットされるのが多いのが気になるので工夫するということです。
・ドリブルしながらのパスが必要で、受け手も受ける動きが必要なのではないか
上では、縦パスのカットされる比率が多い、ということを指摘しました。
縦パスを出すにしても、相手の守備の位置がずれながらならば、パスが通る可能性が高くなります。
だからドリブルして動きながらパスを出す。
斜めにドリブルするか、縦にドリブルするかはわかりませんが、相手をずらすためにドリブルを混ぜながらパスを出す、これもロブでもグラウンダーでもいい、で、パス成功率が高くなることを狙ってはどうかと思いました。
また受け手もドリブルの位置に合わせてポジションを動いて、ワンツーをしたり、ドリブルのタイミングを見て動き直したりすることが必要だと思います。
現在のユベントスの攻撃は、サイドからのクロス攻撃が主体となっています。それ自体は悪くはないのですが、サイドでクロスを上げる前に、ドリブルやワンツーで優位なポジションをとることができれば攻撃の成功率が上がるということです。
あとボックスに入って、勝負する攻めも混ぜたい。中央を攻めることが出来るようになると、中央に守備が収縮します。収縮したら外を攻めるということで、外と中のコンビネーションが使えます。だから中へ入る、ドリブルからのワンツーなども使ってほしいと思いました。
・4−2−3ー1が現在のベストフォーメーションではないか
実際に、これらの斜めのパス、受け手の引き出し、ドリブルからのパスなどがうまく行った時間帯がPSGとの試合ではありました。
それがロカテッリがトップ下に入り、左右にラビオとコスティッチ、ボランチがパレデスとマッケニーだった、4−2−3ー1です。トップはヴラホビッチでした。
ミリクを下げたこの采配は批判もされましたが、前線で受け手が受けに走ったり、パスが出たり、ボックス内に入れたり、といい面も見られました。斜めのパスコースもできて、このシステムは非常にいいのではないかと思いました。
このシステムをもう一度試してみては、というのを推薦しておきます。
トップ下にミレッティや、スーレはどうなんですかね、ディ・マリアが入るシステムはモンツァ戦で試したようですが、いろいろ形を変えるにせよ、上記2点、斜めのパスと受け手、ドリブルからのパスと受け手、を解決するために、このシステムをもっと活用してほしいと思います。
・監督の叱りではなく、励まし、いいプレーへの賞賛がいるのではないか
これは監督が怒りっぽくなっている、ということです。みんなが萎縮してプレーして、前へのパスをつけなくなったり、ドリブルで仕掛けなくなったりしたら、マネジメントとして失格だと思います。
選手が一定の位置まで行くと、特定の選手以外が仕掛けない様子が見られるので、気になっています。
叱るタイプのコーチングもあるのかもしれませんが、アンチェロッティのような「いいぞ、いいぞ、もっとやれ」というような人身掌握術もアッレグリ監督は使えると思うので、いいプレーを拍手しているところをカメラに抜かれるような場面も…、あってもいいのではないかと思います。
少なくとも看板蹴ってるところを撮られたり、選手のケツ蹴ったり、暴言吐くよりはいいのではと思うのですが、これはイタリア人と、我々とは感覚が違うので、これ以上は言いません。
ただ誉めた方が人は伸びるのではないか、とは思います。
以上の点についてみてみました。
また何か書ければ書くかもしれません