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競争戦略論?からサッカー・クラブ経営の戦略を考える(3)(了)

サッカー・クラブとして東京Vがポーター氏の競争理論を活用する場合には、「差別化戦略」「集中戦略」を活用する方法が考えられます。「集中戦略」については別に述べました。

 

ポーター氏の理論は競争についての理論であります。競合する相手を上回り、また独自化を図ることに目的があります。

ポーター氏の戦略は新規参入と、既存の防衛の二つの戦略に分けられたりもします。 より詳しくいうと、競争の基本としての2つのアクションは、「他社の業界へ効果的に参入する」こと、「自社の防衛力を高める」ことの2つに分かれます。

ポーター氏の戦略、つまり3つの基本戦略も、シンプルに考えれば、これらの「新規参入」と「防衛」のための戦略とされます。

そして東京Vが新しい市場に新規参入する場合と、東京Vが既存の市場を防衛する場合にも、そのスポーツクラブとしての性格上、ベースとなるのはコスト戦略よりは「差別化戦略」ではないかと考えられます。

 

差別化戦略としてどのようなことができるのでしょうか。

差別化戦略では、独自化、差別化の徹底が求められます。他社にない自社の強みを徹底して追求することが求められます。 技術力、人材、ブランディング…、顧客側から見たユニークさ、独自性を発揮し、他社にない価値を提供することが必要です。独自性、差別化を追求しなければならないのです。

また独自のバリュー・チェーンを重視することが必要になります。 バリュー・チェーンとは企業による各事業活動を価値創造のための一連の流れとして把握する考え方で、これもポーター氏が提唱したものです。 チェーン(鎖)と呼ばれるように、企業の付加価値の創造が連鎖し、繋がって、全体として大きな価値を呼ぶ流れをバリュー・チェーンと呼びます。

これらの自社の独自の付加価値の創造の仕組みを分析することは、サービスの独自化に役立ちます。自社の強みを知ることができるのです。

 

またバリュー・チェーンを形成し、差別化戦略を行うとともに、差別化、独自化にはブランド戦略が必要です。 ブランドについてはブランド・エクイティということが言われます。

ブランド・エクイティとはある企業が顧客、取引先、また社会全体に対してもつ資産価値のことをいいます。

ブランドにおいて「ブランド・ロイヤルティ」などが一つの重要な要素を担うことになります。 ブランド・ロイヤルティとは、顧客がブランドに対してどの程度忠誠心または執着心を持っているかということで、ブランド・エクイティを構成する要素の一つです。

ブランド・ロイヤルティが増加することで、リピーターが増え、顧客単価が上がり、宣伝費などのコストが低下することが見込めます。 そのため、ブランドへの親近感を高めたり、いい口コミやファン・コミュニティを育てたり、サービスとの接点を増やす仕組みで、ブランド・ロイヤルティを高めることが必要です。

顧客の意見や感想を正確に把握し、サービスに反映したり、ニーズにサービスを適正化したり、SNSの発信、ポイントクラブの組織なども効果的であると言われます。このようにブランドへの忠誠心を上げることを心がけたいですね。

 

以上のように東京Vが差別化戦略をとり、ブランドロイヤルティなどを高めつつ、クラスターなどを活用してイノベーションを生み出していくとどうでしょうか。

地域内に集積された各資源や組織・企業と連携してクラスターを作る、差別化戦略を行なっていく、それらにより東京Vはさらに成長していくのではないでしょうか。

今後に東京Vの価値が高まることを期待したいです。

 

【 参考にさせていただいたサイト 】
 
参入障壁について
差別化戦略について
ブランド・ロイヤルティについて
ブランド・ロイヤティ戦略について