自分は東京ヴェルディというチームが好きです。訳あって、東京ヴェルディをサンプルとしたウェブ・マーケティングのコラムを書いてみることになりました。
ただただ参考となれば幸いです。
結構、大胆なことも書いています。お許し願えれば幸いです。
Jリーグは今年、発足から30周年を迎えた。様々なイベントが行われ、華やかな試合が行われているが、少子化に伴い、競技人口や観客数の問題など、これから考えていかなければならないことは多い。
今回はJ2(Jリーグ・2部)の東京ヴェルディをサンプルとして、そのウェブと連携してどのようにしてビジネスを盛り上げていけばいいのか、ウェブ・マーケティングの施策を考えてみた。
サッカーチームのウェブ・マーケティング、ウェブの活用を考えた場合、その効果を測り、そこから逆算して施策を考えることが必要なのではないだろうか。
その場合、サッカーの会社としての東京ヴェルディ(正確には東京ヴェルディは総合スポーツクラブであるのでそれについても考慮する必要があるが)が効果として測る基準として、全てではないが以下のような項目が考えられるのではないか。
・ブランド・イメージ
・グッズ収益
・チケット収益
・営業活動支援(スポンサー獲得)
・ファン獲得および行動の喚起
これらの各項目については、数値化で評価できればより効果の検証は行いやすいはずであるが、それらは公開されていないことも多く、またブランド・イメージなどは効果を数値化しにくい。今回は数値を用いないで、施策としてウェブマーケティングにどのようなものが考えられるかを順次述べることにする。
実際は最初にあげている、中心となるチームのブランド・イメージやストーリーがあって、そのブランド・イメージやストーリーが発信されることで、それに付随したグッズの収益の伸びや、チケットの収益の向上、新たなスポンサーの出現などが起こると考えられる。そして得られた収益によってチームが強くなり、それに伴ってファンが獲得され、大きな動きが地域に起こり広がっていく、という連動した動きが求められる。
今回はこれらの連動する各項目について、ウェブ・マーケティング、ウェブでの施策としてどのようなことができるか、細分化して触れてみることにする。
・ブランド・イメージ
東京ヴェルディのウェブ・マーケティングの根幹となるのは、まずホームページの発信である。またS N Sの発信も積極的に行う必要がある。
ただ企業の公式ホームページもそうであるが、Jリーグチームのホームページを毎日チェックするファンは多くはないと考えられる。しかし多くはなくとも、チームとファンとの最も密接な接点となる場所はチームの公式のホームページであり、またオフィシャルのリリースする情報である。東京ヴェルディではこの公式に関する情報の発信に力を入れてきた。特にユニフォームやインフォメーションで目に触れる機会の多いエンブレム、またマスコットキャラクターをリブランディングすることに取り組み、各方面から高い評価を得ている。これらはウェブ・マーケティングに反映されている。
ただ、ファンがこれらのデザインへ至る導線を作成することが必要である。ファンと公式ページとの接点を作ることがいるのだ。
そこで考えられるのがS N Sの活用である。Twitter、Instagram、Facebookなどにおけるフィードによって、フォロワーにイベント情報を発信したり、ストーリーを発信する。それによりブランドイメージを高めていくことが求められる。
サッカーにおいては、ファンが最も関心を持っているのは試合であるので、試合の前後にホームページへのアクセスが増加することが考えられる。監督の発言、選手のコメントなどにもおそらくアクセスが集中するので、このタイミングで各種S N Sの発信を強化し、それに公式の発表をミックスして、東京ヴェルディがアピールしたい情報を発信することで、効果的な広報やブランドイメージの構築ができると考えられる。
また公式試合の結果の発信、監督、選手のコメント、移籍、スケジュールのリリースを、デザインや内容としていかに効果のあるものにするかを考えることで、ブランドイメージを変化させることができる可能性がある。
公式ホームページ、S N Sを活用し、特に試合、イベントやスケジュールの発表などのアクセスの集まるタイミングを大事にし、それらのタイミングを図って、ブランドイメージを作ることを施策として行ないたい。
最近は東京ヴェルディのトップチームが好成績を残していることから、いいイメージが形成され始めている。また東京ダービー(F C東京とのダービーマッチ)での東京ヴェルディのTwitterの発信がクールであるとしてマスメディアに取り上げられることもあった。このようなウェブを通じたブランドイメージの発信を高めていくことで、様々な事業に良い影響が与えられるだろう。
・グッズ収益
日本ではグッズの販売は、主要な収入源としての優先順位はやや低いが、オフィシャルショップの販売を強化し、またオフィシャルサプライヤーのブランド・イメージを高める施策や、プロモーションと連動して、広告の掲示などのウェブ・マーケティングを行なっていくことが必要である。
東京ヴェルディではグッズについては、各選手の節目(100試合出場など)に伴う限定販売の商品が発売され、Instagramにその概要や写真がアップされるようになっている。サポーターの協力もあり、ハッシュタグでTwitterでもつぶやかれることも見られる、現在は公式アカウントがこれらのつぶやきを拾うことはないが、選手公式などのTwitterアカウントなどと連携してグッズの販売をツイートすることで、「買いたい」という意欲の増加・波及効果を狙うことも施策として考えられる。
グッズは現在は公式オンライン・ショップでの販売が中心であり、他に3店舗の公式店が販売を行なっているが、買ってみようという意欲を高める必要がある。サイン入りの商品などはプレミアムとして有効であるが、例えばスポンサー企業のお店で何かを買えばグッズがついてくるであるとか、ウェブ連携としては公式オンラインショップで利用できるクーポンをスポンサー様と連携して開発するなどの手法が考えられる。
・チケット収益
チケットについては、東京ヴェルディのチケットの販売は営業活動によるもの、コンビニエンスストアでの販売、当日券の販売などが行われているが、Jリーグのオフィシャルサイトでの販売も行われるようになっている。
チケットの販売については、団体客の誘致や、商品のついたチケットなどの販売が行われており、これらのウェブ・マーケティングとして、ファンクラブ会員と一緒に来られた方へのサービスやスポンサー営業におけるサービスなどに、We bサービスとして公式サイトを活用することが考えられる。
またグッズ販売や、チケットの販売(特にファンクラブ)については、ビッグデータの行動分析を導入し、今後の営業に役立てることも考えられる。個人情報の取り扱いは難しいが、ある程度の分析すべき点、特徴を把握することで今後の販売が強化できると考えられる。
・営業活動支援(スポンサー獲得)
Jリーグではチームの収入として、リーグから分配される資金と、各クラブが興行するチケット収入があるが、それに加えて広告の収入・スポンサー収入が大きい。どのクラブにとっても、スポンサーを獲得し、その顧客満足度を高めることが重要な課題となる。
スポンサーのメリットとしてはユニフォームへの企業名の掲載、スタジアムへの企業名の掲載などがあり、それらが公式ホームページやさらにマスメディアに撮影されて広報効果をもつ。ウェブ展開でも、スポンサーの広報効果を高めることが必要である。
公式ホームページへのバナー(企業の名前のバナーなど)の掲載はされており、さらにフラッシュムービーへの掲載などにより、企業名などを効果的に広報することで、顧客に企業の広報を行うことも可能である。
ただこれらのチームのスポンサーの露出には他にマスメディアの協力が欠かせない。マスメディアに取り上げられることでスポンサーのイメージが向上し、広報効果が増加することがある。新聞、テレビ、雑誌、ストリーミング、YouTubeなど、これらの広告にタイアップして広告を行えれば、スポンサーの企業名やイメージの露出が増えることになる。
そのためには検索に表示される必要があるが、影響力の強い選手の力(Twitter、Instagramのアカウント)の力を借りたり、リンクされ、シェアされるためのきっかけを作らなければならない。
これには東京Vは神奈川北部と東京の地域に根拠地があるので、これらの地域のマスメディアや、地域に影響のある店舗網を持つスーパーであったり、ネットワークをもつ会社(タクシー、バス会社、ホテル)などとも連携して、ウェブで展開したり、実際に実物(チケット・グッズ)を提供したりすることで、地盤を広げることが考えられる。
これらのウェブ展開からウェブでの表示や地域での露出が増え、露出が増えることで検索やチームの人気が上がり、チームの人気が上がることでウェブ戦略がスムーズになり、また地域に浸透していくようなサイクルが求められるのではないだろうか。
スポンサーを獲得し、その露出を高めていくことが今後必要である。
・ファン獲得および行動の喚起
最近のサッカーにおいては、ストリーミングの影響力が無視できない、D A Z Nを筆頭に、wowow、スカパー、Abemaなどがオンデマンドでのサービスを展開しはじめている。これらの潮流を踏まえ、これまでのテレビからの顧客の獲得ではなく、ウェブ上のストリーミングでのサービスから、顧客を獲得してくることも重要な戦略になっている。
東京ヴェルディでは、D A Z Nと連携したインタビューをチームのYouTubeで積極的に流すことを行なっているが、これも顧客獲得と収益の向上を狙った施策だと言えるだろう。
特定のチームはローカル(地元)のテレビ局が作ったチームの番組を作り、スカパーなどで流しているようだが、このような番組はやや減少傾向にある。
それよりも今後はV tuberであったり、YouTuberのようなサッカーに関する話題を取り上げているインフルエンサーと連携をする企画などで、ウェブ上での存在感を増やすことも一つ策として考えられる。またWEBラジオの有効活用も、東京ヴェルディでは行われている。
ファンを獲得するためには広範囲のファン層への働きかけが必要である。そしてそれらの広範囲のファン層の何割かが新しくスタジアムの顧客となってくれるよう、チケットの抽選・プレゼントであったり、グッズを贈ったりする施策を行なってはどうだろうか。
新しいメディアが次々に誕生しているので、それらと共存していくことが、今後考えられる。
以上、複数の項目についてウェブ・マーケティング、ウェブを使った施策のようなものを述べた。ウェブを有効に活用し、Jリーグが活性化することを期待したい。