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立地論から考えるサッカー・クラブの戦略(2)

まずそれ以前に、歴史的な立地論と、サッカークラブの立地論をすり合わせてみましょう。

 

歴史上立地論に最初に取り組んだ人物としては、チューネンの立地論(『孤立国』という本で論じられた)があります。

チューネンはドイツにおける農業の発展について考察を行いました。そして農業の作物の栽培方式や農地の分布が、都市からの距離のみに依存するというモデルを作ったのです。農業における立地を検討し、チューネン圏という概念を考案しました。

チューネンの考え方によると、同心円状の形をつくって、対象都市からの距離により、顧客の行動が変わるとされます。サッカーなら例えばスタジアムを中心に同心円の近くの人は来やすく、同心円が遠いほどスタジアムに来にくくなる。そのような立地の中心を囲む同心円状の変化が、チューネンの理論なら、サッカー・ビジネスでも考えられるでしょう。

 

一方、それから時間が進んで、同じドイツのアルフレッド・ウェバーという人が三角形・集積という理論を考えました。

工業生産活動が営まれる場所、またはそのような場所の選択を行うことを工業立地といいます。またこの場所の選択に関する理論を工業立地論といいます。そしてこの工業が繁栄する土地、工業の「集積地」の理論をウェバーは考察したのです。

工業を行う場合において、原材料が安くで手に入る場所、生産がしやすい場所、顧客からも輸送が近い地点、この3つの条件、三角形が満たされる場所に、工業の生産拠点が集中します、これが「集積」という概念になります。ウェブ上ではAmazon楽天のようなポータル・サイトがこのような条件に当てはまるかもしれません。

 

東京Vとしては、情報が届きやすく、情報に接触する機会が多く、味の素スタジアムに行きやすい地点、またウェブ上の拠点に集積を作り、そこを核として影響力を高める、様々ないいものを集積していく手法が考えられます。ただこの時点での「集積」という考え方はブランド戦略や商品の質ではなく、生産経費の圧縮面からの集積を考えているとされます。しかし「集積地」「拠点」「接点」という考え方は重要かもしれません。

 

さてこれらの理論を発展させたものに、クリスタラーなどの中心地理論があります。これは供給される財の到達範囲・中心地の規模 (階層性) によって、幾何的・数学的に説明できる空間構造(立地)が生まれることを説明しています。(地域の構造が数学など数字で説明できるということです)

これは中心地を商圏が囲むことを数学的に論じたもので、各拠点のパワーバランスの変化などを論じたものです。

 

一方、アメリカのポーターは競争戦略論(ダイヤモンド・モデルとクラスターなど)を考え出し、競合分析、市場のポテンシャルの分析に基づいて「コスト・リーダーシップ」「差別化」「集中戦略」などの戦略を立てることを論じました。

これらについては十分に論じれませんが、その中のダイヤモンド・モデルとは、「生産」、「需要」、「関連産業・支援産業」、「企業戦略・構造・競合関係」の4つの条件が組み合わさってイノベーションが起こることを指します。 これらの4つの条件は、集積地において集まった企業集団の中で「クラスター」として磨きあわれてイノベーションを生み出し、ブレイクスルーを呼びます。

 

東京Vとしては4つの条件のうち、生産と需要をよく読んで、企業戦略・構造・競合を考え、そして関連産業や支援産業のメリットを考慮しながら、新しいイノベーションを産むことが重要であるでしょう。

関東にはサッカー・クラブが数多くあります。これはクラスターとも考えられ、そのクラスターの中で、どのような戦略を取るかが問われていると考えられます。 そしてこれらの立地論を踏まえた、戦略が効果的であると考えられるのです。

 

※ これらの理論は難易度の高い理論です、読み飛ばしていただいた方がいいかもしれません。
 
チューネンの『孤立国』・農業立地論の理論
ポーターの立地論クラスター)
ポーターの競争論