2025年の、Jリーグが始まった。
岡山が京都を相手にしてJ1初勝利を挙げ、湘南が鹿島に勝った。いずれも昨年の実績では下位のチームで、上位のチーム、上のディビジョンのチームを「喰った」形になった。サプライズを起こしたと言える。
岡山や湘南がやったことがサプライズなら、昨年の東京ヴェルディは、サプライズの塊のようなチームだった。
「J1で20番目(位)のチーム」、それが昨シーズン開幕前の位置づけだった。誰もが降格を予想し、残留争いをするだろうと思っていた。
集められた選手たちも、無名の原石だった。磨かれていない、何かわからない「石」だった。しかし、石は磨かれ、その存在価値を証明した。自分が宝石であることを、明らかにした。
東京ヴェルディは選手たちの活躍で躍進し、20位ではなく、最終的にJ1で6位になった。立派な成績だった。
さて、今年の東京ヴェルディはどんな成績を残すのだろう。昨年と同じような「サプライズ」をまた起こせるだろうか?
何を達成すればサプライズを起こせるのだろう?、タイトルを取る?、昨年の成績を上回る?、いずれも、至難のチャレンジになるだろう。
そのチャレンジの、シーズンが始まる。
しかし城福監督は仰った、「清水戦が通過点である」。城福監督の見つめられているところは、別のところにある。
「日本一の練習をする」、監督の口癖である。それは、日本一の練習の先に、試合という発表会がある、そういうことではないか。氷山はその体の9割を水面下に沈めている。見えるのは、1割だけ。同じように、9割の日本一の練習の先に、1割の試合がある。
1割の試合にサプライズがあるのなら、9割の練習にも、サプライズが満ちているのではないだろうか。だから、城福監督は「日本一の練習」として日々の練習に力を入れているのではないだろうか。練習でサプライズが、進化が、昨日とは違う力が、発見できなければ、試合で突然違う力を発揮できるはずはないのだ。
チームが始動して、1ヶ月が経っている。徐々にチームは変化し、開幕の日を迎えた。サプライズが、チームに日々変化が起こっているのなら、このチームは「成長し続け」、そして今まで見たことのないチームになる。
ただ「日本一の練習」、「成長」、いずれも簡単に成し遂げられるものではない。基礎と観察力と指導が必要だ。
さて城福マジックは炸裂するのか。サプライズは起きるのか。
楽しみにしたい。