一瞬のスピードに、目を奪われる。
左右に小刻み動く上半身、対峙するディフェンダーは、相手を睨みつけるように構えて、動き出しを防ごうと待っている。キュン、という音がするような動きで、左右にずれ、一瞬のスピードでそのディフェンダーを置き去りにする。
気がつけば、エリア内に侵入している。
ドリブラー、スタジアムで見るドリブルの凄さは、画面越しにはなかなかわからなかった。
サンフレッチェ広島の山口敏弘選手や、柳本選手、ジェフ市原(当時)にいた廣山望選手。自分の見た選手では、彼らに驚かされた。ボールは足に吸い付くようで、相手を弄ぶようにフェイントと動作からの俊敏な動きが繰り出される。その動きに、敵ながら魅了された時があった。
東京ヴェルディでは、飯尾一慶選手や、杉本竜士選手の名前などが、レジェンドとしてあがるのだろうが、残念ながら見ることは叶わなかった。
久保建英選手や、中島翔哉選手のドリブルなどは、どんなドリブルなのだろう?新井選手、熊取屋選手、ヴェルディにも気鋭のドリブラーが入ってきている。彼らはどんなプレーを見せてくれるのだろう。
グラウンドで見る選手のスピードと、テレビで見る選手のスピードは、全然違う。
グラウンドレベルでの選手のスピード、一瞬一瞬に見せる表情、フェイント、キック、一つ一つに、圧倒される。
ピッチから聞こえるわずかなボールの弾む音、蹴った瞬間の響き、風が頬をそよがせるが、その風に乗って、選手の声、コーチングの声も聞こえる。
もうすぐだ、もうすぐ、2025年の東京ヴェルディのシーズンの幕が上がる。あのフィールドで躍動する選手たちが、帰ってくる。シーズンがはじまるのだ。
僕は、どのように応援できるだろうか?、僕は、どのように追いかけることができるだろうか?
わずかしかできないだろうけれど、できるだけのことをしたい。
楽しみにしている。